車検について(ユーザー車検の勧め)
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ユーザー車検はいくつかの要点を満たせば簡単に合格させることができる。
車検のビジネスから利益を得ようとディーラーやガソリンスタンドなども熱心だが、ユーザー車検は簡単にできるし、自己責任で
車の安全を保つ点からも、また経済的に自動車を維持する点からもユーザー車検を勧めたい。
ネットにはユーザー車検の体験記がたくさん記載されているが、ここでは車検の要点を網羅しておいたので、これらの要点を守れば
必ず簡単に車検が取れる。

@車検の予約をする。
車検の有効日の1か月前から更新のための検査を受けることが可能である。それ以前でも車検を取ることが可能だが、そうすると
受験日から新しい車検の期間が始まり、結果として有効期間が短くなってしまう。
車検が切れてから車検を取ることも可能だが、市役所に行き仮ナンバーを借りてこなければならないので、やはり期限前の
1か月以内に車検を更新するのが良い。
最近はネットから簡単に予約が可能になった。
以前とはシステムが変わり、最近は車検の予約に自動車検査インターネット予約システムが利用できる。
自動車検査インターネット予約システムhttps://www.yoyaku.navi.go.jp/pc/reservationTop.do
新規にシステムを利用する際には、アカウントの登録を選択してアカウントを作ってから予約をする。
2週間余り先まで予約が可能である。月末は混んでいることが多いので月初めの予約日を予約するのが良い。
予約日はなるべく午前中にしておくこと。同日なら3回までは再検査料は不要。
トラブルがあっても予約を午前中にしておけば、対策で午後になっても再検査が可能であるので午前中の予約をするのが好ましい。
予約番号を検査票の左上に記入しておく。
ナンバープレートの番号(4桁)で予約することになっている。

A必要な書類を揃える。
車検証(紛失した場合は陸運事務所で再発行の手続きをする)
自動車税の納税証明書(毎年5月ころに支払っているはずで、そのときに受け取っている。領収書と証明書が続きになっているが、
証明書の部分が必要で、切り離して領収書の部分だけ提示したのでは不可になる。)
自動車税納税証明書を紛失した場合は県税事務所で再発行を依頼する。
陸運事務所の隣の自動車会館の中に、県税事務所の窓口があり、当該県に限り納税証明書の再発行の便宜を計らってくれる県もある。
他県の場合は事前に納税証明書を入手しておく必要がある。
車検証と納税証明書は事前に準備しておく必要があるが、車検に必要なその他の用紙は車検場の隣にある自動車会館の窓口で
購入できる。
用紙(検査票、重量税納付書、継続検査申請書いわゆるマークシート)は当日自動車会館で購入して記入すればよい。
点検整備記録簿の用紙も同様に入手できる。用紙一式で60円だ。 
自動車賠償責任保険(略して自賠責とか、強制保険と呼ばれる)は近くの自動車屋(ディーラーでも町の自動車屋でも可)で加入できるし、
陸運事務所の隣の自動車会館や、代書屋で簡単に加入できる。
なお代書屋で車検用の書類を作ってもらうことも可能だが、簡単な書類なので無駄な費用を使うことなく自分で記載するべきである。

B車検の要点。
下記の要件を満たせば基本的に車検は合格する。
ブレーキが左右均等に利くこと。
ステアリングにガタが無いこと。
トーインが規定内であること。(これは乗っていてもわからないので、不合格になることが多いが簡単に調整し、再検査で合格できる)
ライトが点灯し、ハイビームの光軸が狂っていないこと。(正しく焦点を結ぶこと)
電気装置(スイッチやパイロットランプ、ホーン、ワイパー、ウインドウオッシャーなど)が作動すること。
速度計(スピードメーター)に誤差が無いこと。
タイヤの溝が十分残っていること。
オイル漏れが無いこと。
ブーツ類に破損が無いこと。
排気ガスが汚れていないこと。(排出される一酸化炭素とハイドロカーボンの量が規定以下であること)
排気管とマフラーに破損が無く消音機能に異常が無いこと。
自動車が登録された状態から違わないこと。(つまり車検証に記載されたエンジン、全長、全幅、重量などが違わないこと。
改造されていないこと。酷く破損していないこと。)
ということは、外観上問題がなく、普段から点検整備して普通に問題なく走っている車なら簡単に車検に合格するはずである。
整備しないで車検を取ることをお勧めするわけではないが、極端な話、新車から3年目の最初の車検は整備しなくてもそのまま
合格になるとさえ言えるくらいだ。

C車検のための点検整備のポイント。
前述のBを踏まえて点検整備をして、点検整備記録簿を作成しよう。
点検整備記録簿の用紙は前述の自動車会館の窓口で購入できるが、新車購入時についている点検記録簿を使用すればよい。
点検項目は普段乗っていて正常であればまず問題ない項目ばかりである。

つまり車がまっすぐ走り、フットブレーキを踏んだときにブレーキが片効きしなければOK。
サイドブレーキが効くこと。急坂でサイドブレーキを引いた状態で車体が動かなければOK。
タイヤの溝を点検しよう。5ミリ程度の残り溝があればOK。
もしタイヤの溝が少ない場合はタイヤを交換する。
外側や内側のみが大きく減っている場合はトーインが狂っている可能性があるので、タイヤを交換してからトーインを調べる。
なお、タイヤのパターンとサイズは左右同じでなければならない。前後のパターンの違いは可。
ライトが全部正しく点灯するか調べる。これは普段から点検しておくべきだが、ヘッドライトのハイビーム・ロービーム、
車体の前後にある右折左折の方向指示のライト、車幅灯、ハザードランプ(非常点滅灯)、ブレーキランプ、後退灯、ナンバー灯。
特にナンバー灯には電球が複数装着されていることが多く、そのうちのひとつが切れていることが多い。
またライト類はレンズに破損があると不合格になるので確認しておく。
クラクション、ワイパー、ウインドウウォッシャーの作動を確認しておく。最近は車検時にウインドウウォッシャーの作動を
調べられることがある。なお、昔はワイパーのゴムの破損状況も検査されることがあったが、ワイパーゴムは車検とは関係なく、
自分の安全のためにも日常的に検査して必要に応じて交換しておくべきである。
速度計(スピードメーター)に誤差があるかどうかについては事前に判断はできないが、普通にメーターが動いている車なら問題は
無いはず。
オイル漏れだが、通常はオイルパンなどからオイルが垂れることは無いはずであるが、欧州車などではどうしてもオイルが滲んで
くる車がある。原因が判明していればオイルシールやパッキンを交換して対処するべきだが、オイルの滲み程度であれば車検は
問題が無い。オイルが雫となっている場合でも観察している間に雫が落下しない限り、車検の検査ラインに入る前にウエスで
拭き取って検査を受ければまず合格するだろう。

ブレーキのホースの劣化を調べブレーキオイルの漏れが無いか点検する。
ブレーキはパッドの残量を調べておく。車検は、車検を受けたからあと何キロ故障無しで走行できるということを保証するものでは
ないので、車検時にブレーキが効くかどうかを調べるだけで、車検でパッドの残量が問われることはない。
もっともこれは極論であって、整備記録表にはパッドの残量を記載する欄があるがここに残量1ミリと記載してもブレーキテスターで
正常な制動値を示せば車検は合格するだろう。
しかしながら車検とは関係なく安全のためにブレーキパッドの残量はタイヤを外すたびに確認しておくべき事項である。
ブレーキキャリパーのピストンが固着したりして一部のパッドだけが減っていることがあるので、パッドはひとつずつ点検する。
ブレーキパッドの減りは直接パッドの残量を測定するのが正しいやりかたであるが、普段からブレーキオイルのリザーバータンクの
オイル量を見ていればパッドの減り具合の見当がつく。つまり、パッドが磨耗した分だけディスクブレーキのピストンが押し出され、
その体積に相当するオイル量が低下するのが観察できる。つまり、もしブレーキオイルが漏れているのでなければ、ブレーキオイルの
レベルが低下しただけパッドが減っていることになる。ブレーキオイルが減っている場合は、ブレーキオイルの漏れか、さなもくば
パッドがかなり減っていることを示しているので、単にブレーキ液を補充してはいけない。

ブーツ類の点検は重要である。不合格になる例は、ドライブシャフトのブーツの破損。これは酷くなるとタイヤハウスにグリースが
飛散するので簡単に判明するがブーツ破損の初期の場合はわかりにくい。タイヤをはずしてブーツを手で広げて点検したり前輪駆動の
場合はステアリングを切った状態で調べる。
またステアリングのラックブーツの破損も多い。これもステアリングを左右にいっぱい切って調べるか、手でブーツを広げて検査する。
他にナックルアームやロワーアームのボールジョイントのブーツの破損も多い。

排気ガスだが、燃料噴射の車はそのままでまず問題が無い。キャブレターを装着した車の場合はハイドロカーボン(HC)と一酸化
炭素(CO)が規定内に収まるようにしないといけない。
一般的にジェットを絞ると良いが、HCを絞るとCOが増えたり、COを絞るとHCが増えたり、HCとCOは相反する値を示すことが
多いので、後述するテスター屋で事前に調整を依頼した方が良い。
マフラー本体に穴がないか点検する。またマフラーのジョイント部分に排気の漏れが無いか点検する。
マフラー本体に錆び穴を発見した場合、ホームセンターで耐熱パテを買ってきて塗り付けると良い。耐熱パテは硬化すると結構な
耐久性があり、次の車検までマフラーを使うことができるかも知れない。
マフラーを釣っているゴムが破損している場合もあるので忘れずに点検する。
フロントウインドウと前席の窓にステッカーなどが貼り付けてないこと。もしフロントウインドウの左上の隅に定期点検の丸い
ステッカーが貼ってあれば有効期間内のものでない限り事前に剥がしておくこと。(バックミラーの裏の車検のステッカーと
ドライブレコーダーなど特別に許されたもの以外はフロントウインドウには何であれ貼付することは不可、吸盤も不可)
ただし、ETCやドライブレコーダーに限り、規定に従えば例外的にフロントウインドウに装着しても良い。
安全ベルトが全席分完備して破損がないことを確認。4点式を装着している場合は、3点式が作動するようにしておくこと。
4点式のみでは不合格になるので4点式と3点式を共締めしておくと良い。
非常信号灯(赤色灯、または発炎筒。発炎筒は有効期限に注意)

以上の項目を点検して、点検整備記録簿に記入する。記載方法は点検整備記録簿の裏面に説明があるが、点検、交換、締付、などで
記入する記号が違うので注意して記入する。
点検して異常がなかった箇所はチェックの記号vを記入する。パーツを交換した場合は×、修理した部分は△、調整はA
締め付けはT、清掃はC、給油はLである。分解した場合は各記号を○で囲む。
修理して調整もしたような場合は修理の記号を記載、パーツを交換して清掃した場合は交換の記号を記入する。
つまり前記の順で上位の作業を行った記号を記入する。

これで車検用の点検は終わりである。

車検で引っかかりやすい項目は、ライトの光軸、サイドスリップ、ブーツ関係(ドライブシャフト、ステアリングラック、ボール
ジョイントなどのゴムブーツ)、マフラーの穴、ナンバー灯や方向指示器、ブレーキランプの球切れ、などである。

世間で良く誤解されていることであるが、「車検を受けたばかりなのに故障した」と文句をいう話をよく耳にするが、「車検と故障は
全く関係が無い」。当分故障無しで走行できることを車検が保証するものではない。
保安基準などの規定に現状で合致しているかどうかというのを調べるのが車検であるから、極論を言えば下記のような状況でも
車検を合格させるだけなら合格させることができる。
ミッションやデフやドライブシャフトからガラガラ音がしている。
オートマチック・ミッションのスリップが多い。
クラッチがやや滑る。
ショックアブソーバーが抜けてブカブカしている。
ラジオが作動しない。
シートが破れている。
ボディの各所に錆が出ている。

車検は法律で決められたものであって、重要な箇所の検査を行い、保安基準に合致していることを確認するものである。
車検に合格したからといって全面的に安全が保障されるものではないし、故障しないことを保証するものではないことを銘記
しなければならない。
上述したように車検を合格させるだけなら何とか合格させることは簡単である。悪徳業者はそんな車検を行う。
したがって車検そのものを過信してはいけない。
車検よりも重要なことは、安全走行できるように自己責任で車の各部分を日常的に点検してコンディションを良好に保つことである。
常に整備されていれば、そのままで車検に合格するはずであり、そのようなコンディションに保っておくことが重要である。
ディーラーや業者に車検を頼むと高額の車検整備費用が掛かることが多いが、これは普段整備しないで破損した部分がありながら
乗りっぱなしにしてあったために、車検時にまとめて不良部分の部品交換をするために高額の整備費用が掛かるケースが多い。
このようなユーザーは車検後も同様に乗りっぱなしにする可能性が高いので、無駄なことではあるが、ブレーキパッドなども残量が
多くても予防的に車検時に交換することもあるので、余計に費用が高くなる。
日常的に点検整備することがトータルで維持費が安上がりになると思う。

D前日の準備
オドメーターの距離を読み取り、100キロ未満は切り捨てて継続検査申請書(マークシート専用3号形式)に「鉛筆」で記入する。
同じ数字(距離)を検査票には「ボールペン」で記入する。
ステアリングの真ん中のホーンのボタンにラッパのマークがついているか確認。
なければトランペットのマークをネットで探し出して印刷して貼っておく。以前は手書きでも良かったが最近は不可になった。
シフトレバーあるいはその近くにシフトパターンの表示があるか確認し、無い場合はパソコンでシフトパターンの図を作り、印刷して
シフトレバーの近くに貼り付けておく。手書きは不可になった。
ホイールキャップを外し、ホイールナットが見える状態にしておく。

持ち物点検
  現金   現金で6万円準備しておく。
       自動車賠償責任保険 24か月分 27840円 (2013年4月〜) 数年ごとに変更がある。
       重量税 2年分 車両重量1トン以下20000円、1〜1.5トン30000円、
       増減があるので注意、次世代車はエコカー減税で安くなり、18年以上経過した車は高くなる仕組みになっている。
       検査手数料として、国の印紙400円と検査法人の証紙1300円が必要。
       3ナンバー(普通車)は検査法人の証紙が1400円である。
  書類一式
       @車検証
       A点検整備記録簿 過去の書類を参考に記載   用紙は当日購入してもよい
        登録番号と点検日時と走行距離、点検整備をした者の氏名住所などの欄を記入する
       B検査票     自動車会館の窓口で購入し、登録番号、車体番号、所有者名、予約番号、受検者名などを記入する
       C重量税納付書  ピンク色の用紙
        提出年月日、住所氏名、登録番号、自家用にマークして記載する
        車両重量は車検証にあわせて記入する(間違って総重量を記入しないこと)
       D継続検査申請書 マークシート
        ピンクの枠の中は「鉛筆」で記入。忘れずにオドメーターの表示距離を100キロ未満切り捨てで記載すること。
        使用者の名前と住所、受検者のところを「ボールペン」で記載し、捺印する
       E自動車賠償責任保険証 古い保険証を見せて継続で24か月加入する
       F自動車税納税証明書
  認め印
  紙挟みバインダー
  鉛筆
  黒のボールペン
  非常信号灯(赤色灯、または発炎筒)
  ガムテープ
  工具一式

E車検当日の手順
自動車会館の窓口で重量税を払い込み、重量税の証紙を重量税納付書(ピンク色の用紙)に貼る。
自家用乗用車の場合、車両重量0.5トン毎 10000円/年であるから、多くの乗用車の場合は、1〜1.5トンなので2年分で30000円
となる。1トン未満の小型車の場合は2年分で20000円である。1.5トンを超えるものは0.5トンごとに10000円を30000円に加算する。
車検手数料1700円を払い込むと400円と1300円の2種類の証紙をくれる。
3ナンバー(普通車)の場合は車検手数料1800円を払い、国の印紙400円と検査法人の証紙1400円を受け取る。
検査証紙を検査票の右端に貼る。(用紙を出すと窓口で貼ってくれると思う)
自動車賠償責任保険(自賠責:じばいせき)に継続で加入する
これは自動車会館の窓口で可能。自動車整備組合、同じビルか近くのビルの中にある代書屋でも加入可能。書類を買う窓口で聞けば
どこで加入できるか教えてくれるはず。自家用乗用自動車の場合24か月で27840円である。

書類が全部揃ったら陸運事務所のユーザー車検窓口に行き、受付を終える。
ユーザー車検の初心者のために希望すれば説明用のビデオを見せてくれる。
検査ラインの番号を指定されることもある。
ヘッドライトが4灯式の場合は、外側のライト(ロービーム)をガムテープで塞ぐ。2灯式の場合はそのままで良い。

F検査
検査ラインに並ぶ。
検査官の指示が聞こえるように運転席と助手席の窓を開け、ラジオやステレオは止めておく。
非常信号灯(赤色灯、または発炎筒)をダッシュボードの上に載せて、非常信号灯を完備していることを示しておく。
最初に車体番号を調べるので、ボンネットを開けるレバーを引いておく。
自分でボンネットを開けて車体番号の位置が見えるようにして検査官に番号を確認させる。
検査官は車体番号とエンジン型式、そして走行距離を確認する。
外観の検査と方向指示器(左右),非常信号灯(ハザードランプ),スモールライト,ヘッドライト(ビーム上下させる),
フォグライト、ブレーキライト,バックライト,ワイパー,ウインドウ・ウォッシャー,クラクションを動作させる。
(順番に何をせよ、と言う検査官もあるし、こちらが勝手に適当に一通りやるところもある)
メーターパネルを覗き込み、方向指示器のパイロットランプの作動を確認した検査官やリアのシートベルトを確認した検査官もあった。
検査官は保安基準に適合しているかどうかを確認するので、調べようと思えば何でも検査出来る。たまに細かいことを調べる検査官がある。
終わると検査票にハンコを押してくれる。

検査ラインに進入する前にラインの右側に立っているスイッチボックスの『前輪駆動』のスイッチを押す。(後輪サイドブレーキ)
後輪駆動の場合はスイッチを押す必要は無い。また、スバルのように前輪駆動で前輪サイドブレーキの車は『前輪駆動』のスイッチと
『前輪サイドブレーキ』の両方のスイッチを押す。通常はサイドブレーキは後輪なので、後輪サイドブレーキというスイッチは無い。
(全自動検査ラインの場合は押しボタンを押す必要はない)
検査ラインの両側に引いてある白線の真ん中で車体を真っ直ぐに向ける。
車体をテスターの真ん中に入れないとブレーキの測定が正しく出来ずに、片側のブレーキが弱いと判断されることがあるので
車体の中心線を合わせ真っ直ぐに入る。
小型の車の場合運転席のタイヤを右側のラインギリギリに入れると、車体全体が右寄りになる結果、ブレーキ測定で不合格に
なることもあるので注意が必要。

ハンドルを真っ直ぐにしてゆっくりと検査ラインに進入する。
サイドスリップテスターの鉄板の上を通過するときにハンドルを切るとサイドスリップが異常と判断されるので、絶対にハンドルを
切ってはいけない。
天井にある表示板に『サイドスリップ○』と表示されるので、そのままゆっくりと前輪をブレーキステターに乗せる。

●通常の検査ラインの場合
天井の表示板に『前輪ブレーキ検査中』と表示され、前輪が下がり、暫く回転させてブレーキの引きずりを調べ、その後、天井の表示板に
『ブレーキを踏む』と表示されるので、ブレーキを一杯踏みつける。
ブレーキはガンっと踏むのではなく、ググーッとしっかり踏みつける。
直後に天井の表示板に『ブレーキを離す』と
表示されるので、すぐにブレーキから足を上げる。さもないとブレーキの引きずりと見なされる。
ブレーキの検査に失敗したときはもう一度だけやり直しが可能。

天井の表示板に『前ブレーキ○』が表示されたら、約1メートル前に進み、前輪をスピードメーターテスターに乗せる。
(全自動式の検査ラインの場合にはクルマを前に出す必要はなく、ブレーキ・速度計・ライトを同じ場所でテストする)
サイドブレーキを引き、窓から手を出して天井からぶらさがっているスイッチを手に持ち、ギアを入れてクラッチを繋ぐ、ギアを
1速から2速(場合によっては3速にして)スピードメーターを40キロで安定させる。
急ぐ必要は無いので速度が安定するまでゆっくりやる。
安定して40キロを表示した段階になったらスイッチを押す。
天井の表示板に『スピードメーター○』が表示されたら、次に車を前に進め、後輪をブレーキテスターに乗せる。
天井の表示板に『検査中』と表示され、後輪が下がり、暫く回転させてブレーキの引きずりを調べ、その後、天井の表示板に
『ブレーキを踏む』と表示されるので、ブレーキを一杯踏みつける。
ブレーキはガンっと踏むのではなく、ググーッとしっかり踏みつける。
直後に天井の表示板に『ブレーキを離す』と表示されるので、すぐにブレーキから足を上げる。
さもないとブレーキの引きずりと見なされる。
合格すれば『後ブレーキ○』と表示される。
次に『サイドブレーキを引く』と表示される。『サイドブレーキ○』と表示されたらブレーキ検査は終了。
右側にあるプリンターに検査票を奥まで挿入すると、ガチャンと印字される。

ついで、ライトの検査になる。『前に進む』という表示と鏡を見ながらフロントバンパーが停止線の上にくる位置で停止し、
ライトを点灯し、ビームスイッチをハイビームにする。(ハイビームが主灯とされており、ハイビームのみを検査することになって
いるのでロービームのままだと不合格になる)
『ライト検査中』の表示が出て、テスターが右側から出てきて、光軸の位置を調べる。
光軸が狂っている場合は↑→↓←の矢印でどちらに狂っているか表示されるので『ライト×』が表示された場合はその矢印の方向を
覚えておく。
ライトの検査が終わったら、右側のプリンターに検査票を挿入して印字する。

●マルチ検査ライン(全自動式の検査ライン)の場合
マルチ検査ラインの場合は前後のブレーキを同時に調べる。
天井の表示板に『ブレーキ検査中』と表示され、暫く回転させてブレーキの引きずりを調べ、その後、天井の表示板に
『ブレーキを踏む』と表示されるので、ブレーキを一杯踏みつける。
ブレーキはガンっと踏むのではなく、ググーッとしっかり踏みつける。
直後に天井の表示板に『ブレーキを離す』と表示されるので、すぐにブレーキから足を上げる。
さもないとブレーキの引きずりと見なされる。
ブレーキの検査に失敗したときはもう一度だけやり直しが可能。
天井の表示板に『ブレーキ○』が表示されたら、次に『サイドブレーキを引く』と表示される。『サイドブレーキ○』と
表示されたらブレーキ検査は終了。

次はそのままでスピードメーターの検査になる。
ギアを入れてクラッチを繋ぐ、ギアを1速から2速(場合によっては3速にして)スピードメーターを40キロで安定させる。
急ぐ必要は無いので速度が安定するまでゆっくりやる。
安定して40キロを表示した段階になったらライトをパッシングして知らせる。
天井の表示板に『スピードメーター○』が表示されたら、ついで、ライトの検査になる。
ライトを点灯し、ビームスイッチをハイビームにする。(ハイビームが主灯とされており、ハイビームのみを検査することになって
いるのでロービームのままだと不合格になる)
『ライト検査中』の表示が出て、テスターが右側から出てきて、光軸の位置を調べる。
マルチ検査ライン(全自動式の検査ライン)の場合は光軸が狂っていた場合は×だけは表示され、どちらに狂っているかは表示されない。
ライトの検査が終わったら、右側のプリンターに検査票を挿入して印字する。

次にピットの上に車を進める。右前輪を決まった位置に乗せた状態で停車しエンジンを止める。
『下回り検査中』の表示が出てコンコンカンカンと調べ、さらに『ブレーキを踏む』とか『クラッチを踏む』とか、『サイドブレーキを
引く』などと表示されるのでそれに従って操作する。『ハンドル遊び』と表示されたらハンドルを左右に動かす。
『振動装置作動中』と表示され、車に振動が加えられる。
『下回り○』の表示がつけば、エンジンをかけて前に進み、排気ガス検査のところに止めて右側の台にあるプローブ(センサー)を
マフラーに挿入する。
緑のOKランプが点灯したら、プリンターに検査票を挿入して印字する。
赤ランプが点灯してブザーが鳴っても、旧車の場合には規制値(後述)が異なるので合格の場合もある。

全部○なら全部の用紙をコントロール室の窓口から検査官に出すと、検査票に合格印を押してくれる。
車を出して駐車場に止め、陸運事務所の車検証発行窓口に行き、書類一式(車検証・検査票・継続検査申請書つまりマークシート・
重量税納付書)を提出すると、新しい車検証とステッカーをくれる。
車検証の印字が間違っていないか確認して終了。

G不合格の場合
検査ラインでの操作が悪くて不合格の場合は、再度ラインに並ぶ。以前は再車検で身代わりの車を検査ラインに通すという不正が
あったために最近は再検査時には車体番号が検査票と一致しているか再確認され、確認印が押される。
検査で前輪駆動などを選択するスイッチボックスで『再検』のボタンを押し、車検場によっては再検の項目をインターホンで検査官に
連絡する。
ハザード(非常信号灯火)を点灯しながら検査ラインに入り、不合格のテスターのみを受験する。

不具合を指摘されて不合格の場合は、ライトの光軸など軽微な調整で可能な場合は車検場の近くのテスター屋に行き調整してもらい
再度検査ラインに並び、上記の方法で不合格の部分のみ検査を受ける。同日なら3回までは検査料を再度支払う必要は無い。
テスター屋というのは車検場の近くに必ずある民間の車検用調整会社である。光軸の調整、サイドスリップ(トーイン)の調整、
ブレーキの調整などをしてれる。店によっては車検受験用のタイヤやステアリングホイールなども貸してくれるところがあり、
車検合格のために必要な調整とアドバイスをしてくれる。調整の費用は1か所につき1000円程度でやってくれるところが多い。

パーツを必要とするような修理の場合はそのまま戻り、整備することになる。
翌日以降の再検査になった場合はインターネットまたは電話で別の日を予約する。
翌日以降の再検査の場合は再度1700円(普通車は1800円)の検査証紙を買う必要がある。

なお、排ガスであるが、登録年と自動車の種類毎に規制値が異なり、下記の表のようになっている。
この表に記載していないが2サイクルエンジン搭載車や大型車両については規制値が異なっている。

アイドリング状態における一酸化炭素(CO)の規制値
適用時期対象自動車CO規制値
昭和45年8月1日普通・小型自動車5.5%
昭和47年10月1日普通・小型自動車4.5%
昭和48年10月1日軽自動車4.5%
平成10年10月以降の新型車
平成11年9月以降の継続生産車
平成12年4月以降の輸入車
軽自動車2%
普通・小型自動車1%

アイドリング状態における炭化水素(HC)の規制値
適用時期対象自動車HC規制値
昭和50年1月1日普通・小型自動車1200ppm
平成10年10月以降の新型車
平成11年9月以降の継続生産車
平成12年4月以降の輸入車
軽自動車500ppm
普通・小型自動車300ppm

点検整備記録簿 自家用乗用車等(定期点検基準の別表第六)

自動車検査票1 様式1

重量税納付書 第1号様式

継続検査申請書 (マークシート) 専用3号様式

軽自動車の場合は軽自動車検査協会が検査をするので、検査場も陸運事務所と違う場所にある。
車検の予約は軽自動車検査予約システムから行う。
点検整備記録簿は普通車と共通だが、検査票、重量税納付書、継続検査申請書(マークシート)は普通車とは違う書式になっている。


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