1964年(昭和39年)9月20日〜23日
ラリーとしてはわが国初のJAF公認競技として開催。競技自体もこれまでとは打って変わり、今までのトリック的なものは
●コース 横浜(山下公園)〜国道16号〜城山〜山中湖〜杖突峠〜分抗峠〜飯田〜恵那〜白川〜郡上八幡〜
●距難 約1500km
●概略
●参加台数 60台
【総合順位】
●12位の柚木・村田組のパプリカ
【再録、アルペンこぼれ話】
お互いに協力して難所を脱出
避け、各CPや案内図はできるだけ分かりやすくし、真正面から運転技術、縞密な計算技術に加え、車両の性能や耐久力などを
フルに発揮するものとなり、1泊4日のハードなものとなった。
また、ファクトリー勢の参加が目立ち、メーカー傘下のクラブが大挙出場した。
競技は大荒れに荒れ、参加60台のうち20台近く、3分の1がリタイアした。
下呂温泉(第1日日ゴール)〜中津川〜墳峠〜▲乗鞍岳〜高山〜上宝村〜平湯温泉(第2日日ゴール、悪天候のため競技打ち切り、
3日日は最終ゴールの神奈川県葉山マリーナまでパレードを行う)
・第1〜2日日 今回はエッソスタンダードの後援ということで、横浜・山下公園前の同社からスタート。
山中湖湖畔では、日曜日だけあって、観光バスの行列など、交通渋止滞に悩まされる。甲府付近からは雨が降りだす。
杖突峠〜分抗峠間では、エンジントラブル、パンク、ミッション破損、メタル焼け、前輪スプリング折れなどが続出。
さらに、分抗峠付近では豪雨に見舞われ、道路が川のようになった。
・第3日目 翌日も雨で、乗鞍岳の頂上も雨と霧で展望はゼロ。その日はなんとか平湯温泉まで走るが、第1日目の故障車の続出、
予想外の悪天候を考慮して第4日目のレースを中止。競技は平湯で終了となり、最終ゴールの葉山マリーナまではパレードとなった。
・第4日日 新装なったゴールの葉山マリーナに小雨に降りしきる中を午後3時ごろから参加者の家族、友人、後援団体の人たちが
ぞくぞくとつめかけた。午後7時50分に黒色のグロリアがまずゴール、8時半ごろには走破車53台がゴールインした。
どの車も雨で洗われてきれいになっているが、メチャメチャになったライトや凹んだボディーなど激しかったレースを物語っていた。
優勝 中村信顕、今井、島津(スカイライン1500)
2・木全 巌、宇田川(ブルーバード)
3・杉江博愛、蟹江光正 (コロナ)
4・新保雅史、仲村定之、樋口(ベレット)
5・杉田幸朗、須田祐弘(グロリア)
6・黒田光彦、榊原昌次(スカイライン)
7・小池敏郎、米積兄弟(クラウン)
8・水尻一郎、白鳥和夫(ブルーバード)
9・高橋 朗、津々見友彦、片川敬二郎(セドリック)
10・湯浅 謙、葭田陽一郎(コロナ)
11・阿部、金森、仙波(ワーゲン)
12・柚木俊彦、村田秀夫(パプリカ)
13・大竹滋之、佐藤喜一(パプリカ)
14・小関典幸、高橋三雄、五十嵐(スバル450)
15・中島安太郎、中島光雄(ベレット)
16・岩田安広、五百蔵、橋本(クラウン)
17・滝進太郎、山崎敏郎(プリンス)
18・島谷陽一郎、浅香泰佑(コロナ)
19・中村治人、片倉八郎(クラウン)
20・本間久喜、大司泰隆、向井(ベレル)
21・越田 穆、堀江昌平、勝田(ブルーバード)
22・種村陽亜、福田忠彦(グロリア)
23・大久保力、西山秀樹(スバル450)
24・井上俊夫、片岡益美(コンテッサ)
25・佐藤武志、住田岑二(ホンダS600)
26・加藤文雄、佐治木睦彦、高木(ブルーバード)
27・木村敏郎、飯塚勝洋(グロリア)
28・村岡三郎、花沢 昭、吉村(スバル450)
29・茂手木浅代、松原功卓(クラウン)
30・野崎純一郎、大塚和子(クラウン)
31・内藤清明、今井 而、大見(コンテッサ)
32・三井平八郎、天川晴雄(ブルーバード)
33・山崎 勝、亀岡洋治(セドリック)
【敢闘】
・定塚正行、定塚武久(プリンス)
・大山丈夫、日野(ブルーバード)
・松井英男、荻原、市川(ブルーバード)
・矢彦沢隆司、山下陽弘、桜井(ブルーバード)
・朝倉興二、足立基俊(パプリカ)
・中原喜栄人、土屋寅松、石関(スバル450)
・藤田喜一、本間兄弟(コンテッサ)
・村上尤一、養老慶一(グロリア)
・中里敬二、中里桂子(メッサーシュミット)
・田中新二、岩淵輝雄、山田(ブルーバード)
・加藤栄一、宍戸俊雄、鮫島(コンテッサ)
・竹下哲夫、西川 弘、尾崎(クラウン)
・富田輝男、山田耕一、桜井(ブルーバード)
・井上 昭、江刺隆正、橋本(ベレット)
・那須彌彦、橋本 淳(クラウン)
・福井好三、野村俊一、浜野(コンテッサ)
【失格】
・井上孝夫、江川 勉、柴田(ボルポ)
・尾崎正治、東園基政、田沢(ベレット)
・荒木為久、森本俊介、鈴木(ワーゲン)
・岡兄弟(ヒルマン)
・中村光静、中村真光(クラウン)
・近藤美智子、青木茂久、本多(ベレット)
・田中一雄、北迫昭一、小林(コンテッサ)
・木島栄一、河村義人、北原(ベレット)
・田中豊三郎、佐藤 満、原(コンテッサ)
・上原、チャンドラ、松崎(ベレット)
・大林 達、森岡 隆、長谷川(コロナ)
分杭峠を下ると小浜川の川底が待っていた。これがアルペンラリーだと思わせる所。工事用のトラクターだけが通る道で、
5mとして平坦な所はない。遠く雨の中からライトが上下に光る。どの車も泥をけちらかして走る。ドアー、フロントガラスまで
泥がはね上がっている。スバルが亀の子になったのか押し上げながら上がってくる。次にメッサーシユミットとクラッチの
こわれたグロリアがロープで引っ張りあげられる。ここでは敵、味方はない。助け合って走りぬけているどの選手も暗い中から
目だけが光っていた。(日刊自動車新聞 1964年10月4日)
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