第16回日本アルペンラリー
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1974年(昭和49年)9月19日〜22日


 今回は東北地方に舞台を移したため、アルペン名物の乗鞍登頂はなかったものの、特に第2ステージの山また山の連続
200kmのダートコースがあり、好評を博した。優勝はチームスバル平林が3連覇という偉業を成し遂げた。

コース 東京(神宮外苑)〜久喜〜塩原〜会津若松〜遠刈田〜蔵王〜鶴岡〜蔵王〜遠刈田温泉(第1ステージ
ゴール)〜蔵王〜金山峠〜米沢〜会津加納〜会津坂下〜柳津〜南郷村〜田島〜鬼怒川〜日光〜金精峠〜沼田〜
三国峠〜苗場プリンスホテル(第2ステージゴール)〜三国峠〜中之条〜菅平〜上田〜丸子〜武石〜美ヶ原〜
松本〜別所〜須坂〜万座〜軽井沢プリンスランド

距離 約2000km

概略
・第1ステージ 神宮外苑の絵画館前をスタートし、東北自動車道を一路北へ向かう。矢板インターを降りて、
甲子林道からいよいよダートが始まる。山形県寒河江市で約40分のレスコンの後、田沢林道で大井沢峠へ。
赤土のぬかるみが続き、はとんどの車が減点をくらい、第1ステージのポイントとなった。
・第2ステージ 20日午後6時にスタート、蔵王エコーラインを通って、上山から米沢、赤崩山に向かう。ここで有力
ドライバーの何組かがリタイアとなった。
南郷村の手前、今回のハイライトでもある新鳥居峠は路面が悪く、頭大の石がゴロゴロしており、「一度でターン困難な
所あり」とコース図にも記されたヘアピンもあるほど。
・第3ステージ 暮坂峠、保福寺峠などラリー銀座を走るステージで、路面も極めて悪く、ドライバーやナビの腕が
もっとも必要とされる。上田から大松山は狂烈な悪路。石のカーペットを敷きつめたようで、しかも片側は深い谷だ。
さながら乗鞍の東北版といったところ。

参加台数 98台

【総合順位】
優勝・平林 武、中原祥雅(レオーネRX)
2・関根基司、池田 隆、石垣 動(スカイライン1800)
3・山辺教夫、横山信一、津板好彦(セリカ)
4・塗矢真知夫、角地功男(シピック)
5・小野洋一、小野裕之(TE27レビン)
6・今井照幸、川井順一(ブルーバード)
7・栗原敏保、小掘 修(ランサーGSR)
8・気境猛男、内村惣一郎(シピック)
9・尾台栄一、水嶋善之(スバル1300G)
10・三浦貞夫、成田昭一、関 良平(ブルーバード)
11・草桶広之、網野邦義(コンソルテクーペ)
12・石川英正、村手重広(チェリーXI-R)
13・佐藤武志、谷島輝一、岸 一美(サバンナGR)
14・大崎 麓、伊東輝芳、大崎 光(ランサーGSR)
15・水戸部喜一、黒田正彦(ブルーバードSSS)
16・瀬崎英二、横山茂樹、越智清文(カリーナGT)
17・福井敏昭、国政久郎(ギャラン16L)
18・服部克己、脇田時史、高木 修(カリーナ)
19・長久保彰、長久保勉、吉田俊彦(ブルーバードSSS)
20・武藤邦彦、飛田富貴夫(ギャラン)
21・金子達男、金子孝男、宮原信良(ランサー)
22・長田 守、曽根原敬祠、岩草義明(バイオレット)
23・相場計人、西牧徳光、斉藤 章 (トレノ)
24・富樫克己、松村道人(レオーネ)
25・中村 晃、新田淳郎(ギャランFTO GSR)
26・伊東正英、坂本正人(セリカGTV)
27・金谷 修、横田光男(ランサーA73)
28・標山純秀、遠藤俊明 (スカイライン2000GT)
29・神田 修、高橋堅太郎(ブルーバードSSS)
30・北沢 武、大久保務、極意憲雄(スカイライン)
31・鵜島国治、小泉和義(シピック)
32・手綱 彰、江口純一(ランサー)
33・加藤光久、三浦 正(バイオレットSSS-E)
34・竹平素信、片山信昭(トレノ)
35・北村紀興、森沢隆太郎(ブルーバードU)
36・小田切正、小田切順之(サバンナ)
37・有馬清徳、大西重樹(ベレットGTR)
38・斉藤 修、森 和彦、三俣広明(レビン)
39・田中久夫、三沢智之(バイオレット)
40・堀田 登、林 一成、堀田 博(ランサーGSR)
41・久保田正男、久保田芳則 (ブルーバードU1800SSS)
42・中村真久、中村泰三(ブルーバード)
43・松原功卓、茂手木浅代(コンソルテ)
44・柴垣宗良、飯塚良裕 (ランサーGSR)
45・蕪木忠雄、嵐 春男、鈴木紀夫 (ブルーバードSSS)
46・大宮重苦、沢川博一 (ランサーGSR)
47・中島精一、村田源土郎(ベレット)
48・船本一義、石川貞良(ホンダZ)
49・玉井宏幸、藤川敏範(ランサーGSR)
50・鶉ケ谷慶市、横山政功(ギャラン16L)
51・石井淳之、今泉浩晃、長沢紀子(カベラ)
52・星谷耕司、長田 初(チェリー)
53・西田晴彦、脇浜 務(ブルーバード)
54・佐藤 勝、木内和夫、黒田長高(チェリー)
55・大薮成人、嘉藤 覚(ブルーバードU)
56・永山恭一、清水輝夫(レビン)
57・水野憲久、村瀬 彰(シピック)
58・奥貫千年、大石年之、石井昇一(スカイライン)
59・田崎康夫、田崎健夫(チェリーX−1)
60・児玉真弥、一色あゆ子(フェローMAX)
【リタイア】
・菅沼明彦、田浦光晴、伊藤秀樹(レビン)
・三角有一、神浦 弘、神浦光雄(ランサー)
・野々下純生、大塚一末(フェアレディZ)
・野口 仁、小林護吾、近藤芳郎(ランサー)
・赤熊 繁、佐々木康行、小島隆行(バイオレット)
・佐藤広志、石井孝夫(レオーネ)
・福田賢邦、薮塚隆(レオーネ)
・三宅香人、安藤雅彦(レオーネ)
・岡波 勉、野本 稔(カリーナ)
・小池幹雄、三内 功(フエローMAX)
・岡崎義秋、二藤秀世(ランサー)
・小林大童、富田裕次(フエローMAX)
・坂本政行、清水浩(レビン)
・木内雪雄、砂原茂雄(ランサー)
・浜本修身、内田 念(スカイライン)
・池田秀隆、山際幸雄(トレノ)
・山内伸弥、小栗一雄、大村 茂(セリカ)
・長谷川敬一、斉藤邦夫、西川昭夫(カベラ)
・寺田 駿、竹内修吾、竹之内光夫(ベレット)
・吉本 裕、玉井正俊(レオーネ)
・炭田 仁、熊木健司(ブルーバード)
・榊原和美、小林祐文(レオーネ)
・新井健治、後田敏彦(レオーネ)
・山田幸一、水田俊二、加藤秀和(ギャラン)
・田中忠行、池田博幸(トレノ)
・山往照男、吉田映治、高木利明(ブルーバード)
・岩村正行、竹本福一(サニー)
・野村 誠、野村一夫、矢作敏之(ギャラン)
・山田政雄、山本治男(ランサー)
・木内延浩、大庭誠介、内山房夫(サニー)
・若松正和、村野好正(ブルーバード)
・松波 登、猪解洋文(フエローMAX)
・柳沼達雄、鈴木健一(カローラ)
・松野 誠、佐井宏武、長内宏(ブルーバード)
・佐井輝武、成田正信(フェアレディZ)
・中村雅行、浅川虎実、寺岡陽次朗(カペラ)
・池田和三、亀井籠彦(チェリー)
・石田 格、佐々木一彦、日下部保雄(レビン)

●山内・小栗・大村チームのセリカ                         ●MSCC小田チームのマツダ・サバンナ

●石井・今泉・長沢チームのマツダ・カベラ                    ●岡波・野本チームのカリーナセダンGT

●服部・脇田・高木チームのカリーナセダン                    ●水野・村瀬チームのシピック

●加藤・三浦チームのバイオレットSSS-E                     ●久保・久保田チームのブルーバードU1800SSS

●佐藤・谷島・岸チームのサバンナGR                       ●金谷・横田チームのランサーA73

●小野・小野チームのTE27レビン                          ●尾台・水嶋チームのスバル1300G

●瀬崎・横山・越智チームのカリーナGT                      ●DCCS児玉・一色チームのフェローMAX

●中村・新田チームのギャランFTO GSR                      ●堀田・林・堀田チームのランサーGSR

●3位に入賞した山辺・横山・津板好彦チームのセリカ GSR

●専門メカニックによるサービスは常識になった                 ●山形県左沢の日石給油所、水戸部チームのブルーバード(14番)

●三連覇を達成した平林氏が駆るレオーネRX

【再録、アルペンこぽれ話】

3万`突破賞を設定
 日本アルペンラリーは、アルペンの名が示す通り例年、中部山岳地方をコースとしていたが、8年ぶりに東北地方に
舞台を移す一方、同ラリーの総走行距離が3万`を突破したことから、参加者のなかでラリーの走行距離3万`を超えた者
を対象に「3万`突破賞」を新たに設定したことが今回の特徴である。(日刊自動車新聞 1974年10月2日)
(注・3万`突破賞1位=平林武、2位=塗矢真知夫、3位=三浦貞夫、4位=網邦義、5位=佐藤武志・岸一美、6位=水戸部喜一)

トランスポーターを持ち込み万全のサービス体制
 競技車を常にベストコンディションで走らせた競技の裏方、サービス隊の活躍も見逃せない。オイルショック以降の
社会情勢を勘案してファクトリーチームは1社のみであったが、他のメーカーも万全のサービス体制を敷き、自社ユーザーの
サポートを行っていた。
 GSでも行われていたが、何といっても大規模だったのは、蔵王郷のプラザおよび苗場国際。
 トランスポーターを持ち込んだのは、ダイハツ、日産、日産プリンス、三菱の各メーカー。
 ダイハツはトヨタグループということで、TASCとも共同でサービスにあたっていた。DCCSのコンソルテ2台、MAX4台、
TASCのセリカ、レビン、トレノの各1台ずつの計9台が主な対象車。さらにTASCでは、カリーナとレビンをパーツ取りのためと、
サービス員輸送のため走らせていた。TASCの競技車3台はチユーン度もかなり高いものと見られ、すべてTASCチユーンだと
いう。
 日産、日産プリンス、三菱の3社は、すべて自社のプライベートユーザーに対するサービス。
 プライベートではグループ・イレプン、山梨トヨタなどがサービス車を繰り出していた。
 また、タイヤメーカーでは、横浜ゴムがラリーの後援会社ということもあって、100本近くのタイヤを持ち込んでいた。
(日刊自動車新聞 1974年10月2日)


出典: 日本アルペンラリーの足跡/澁谷道尚/湧水社出版(1996/05) ISBN: 4-946520-01-5


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