第14回日本アルペンラリー
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1972年(昭和47年) 9月20日〜23日


 ワークス勢の激突が最大の話題。トヨタ・チームでは細谷四方洋を起用した。第1ステージのフィニッシュとなった
赤倉温泉の大駐車場には、日産スポーツ、プリンスサービス、ISCC、TMSC、DCCS、三菱といったワークス勢が
バスやパネルトラックを持ち込むなど、巨大なサービス工場と化していたというほど。しかし、乗鞍が決戦場となり、
結果はプライベートの平林チームに凱歌となった。


コース 東京(神宮外苑)〜信州峠〜馬越峠〜臼井町〜大河原峠〜大門峠〜丸子町〜蝶ケ原林道〜扉峠〜千本平〜
上田〜高峰高原〜長野原〜足尾〜日光〜暮坂峠〜高峰高原〜車坂峠〜湯の丸林道〜赤倉温泉(第1ステージゴール)〜
万座〜野麦峠〜久々野〜郡上八幡〜高山〜平湯〜白骨温泉〜乗鞍〜奈川〜大磯ロングビーチ

距離 約2100km

概略
・第1ステージ 大河原峠の第3チェック手前で早くもハプニング、1台の競技車が30m転落したが、幸いけが人なし。
小諸から高峰高原に向かう舗装路は指示速度59km。ヘアピン続きの登坂路で、この速度を保つにはかなりのテクニックが
必要。おまけに先はどの雷雨で路面は濡れている。案の定、1台転落。しかし、翌朝レッカーで引き上げた途端にエンジンが
かかり、そのまま赤倉まで飛ばしていったというから驚きだ。
・第2ステージ 前回からコースに組み込まれた野麦峠を越え、アルペン最大の山場、乗鞍岳に登る。自衛隊道路と
呼ばれる道を往復するが、人間の頭大の右がゴロゴロしたところで、道というより河原といった方がピックリの悪路だ。
しかも指示速度は46kmというハイアベレージでマシン・トラブルが続出した。

参加台数 113台

【総合順位】
優勝 平林武、末野豊文(ブルーバード1800)
2・木村恭二、山辺、小島(レピン)
2・篠塚建次郎、宮地久司(ギャラン16LGS)
4・尾花繁男、岩崎、辻(ギャラン16L)
4・永山政寛、田中,馬場(レビン)
6・山本哲郎、田中良夫(セリカ1600GT)
6・柑本寿一、福井一郎(ブルーバード1800SSS)
8・田中 正、福島、前田(ギャランGS)
9・塗矢真知夫、角地功(ホンダ1300)
10・関根基司、杉山、池田(スカイライン2000GT)
11・水戸部喜一、黒田正彦(ブルーバード1600SSS)
11・長谷部三治、伊藤、木村(スバル1300GSS)
11・木全 巌、片川哲朗(ギャラン16LGS)
13・竹平素信(スプリンター)
13・木島栄一、寺田駿(ベレットGTR)
13・三浦貞夫、成田昭一(フェアレデイ240Z)
17・佐山文夫、佐山修身(フェアレデイ240Z)
17・中村 晃、徳田暹(ギャランGS)
19・綾部美津雄(トレノ)
20・歌原義和(ギャラン16LGS)
21・三内 功(ブルーバードU1800)
21・飯田収一(サニーGX)
23・鈴木信光(スカイライン2000GT)
23・佐藤武志(サバンナ)
25・遠藤洋治(サニー1200GX)
26・千田久雄(ギャラン1300)
27・田中 聡(コンソルテ)
28・松田保夫(ギャランAUGS)
28・徳江毅一(カローラ)
30・西牧徳光(チェリー)
31・中谷一男(セリカ1600GT)
32・垣内常大(ホンダ1300)
33・草桶広之(ギャラン16LGS)
34・二宮 修(ブルーバードSSS)
35・仲田成実(スバル1300Gスポーツ)
36・三浦 正(ブルーバード1800)
36・坂本政行(ブルーバード1800SSSクーペ)
38・藤原昌彦(サニー1200GX)
39・中村孝行(ブルーバードSSS)
39・山本善嗣(ブルーバード)
41・岡 政由(レオーネクーペ)
42・土屋 孝(ギャラン)
42・松本忠雄(スカイライン2000GTHT)
44・木下栄志(ブルーバード)
46・富樫克巳(スバル1300G)
46・高橋 実(ブルーバード1800SSS)
48・関口 保(ブルーバード1800SSS)
49・荒川建生(スバル1300G)
50・浅川虎実(フェローMAX)
51・五十嵐良雄(カリーナ1600)
52・久世隆一郎(レックス)
52・花沢 昭(レックス)
52・山田一博(カローラSL)
55・川井登志緒(サニー1200)
56・寺尾慶弘(フェローMAX)
57・福井敏昭(ギャランGTO)
58・鈴木 靖(パプリカ)
59・酒井敬治(スバル1300)
60・中村雅行(サバンナ)
61・田中忠行(ギャランGTO)
62・中島精一(ベレット)
63・佐藤洋二(ギャランGS)
64・小川恵司(ギャラン)
65・山住照夫(フェローMAX)
66・二宮義行(スカイライン2000GT)
66・柏崎和夫(ギャラン16L)
68・近藤忠成(フェローMAX)
69・中原喜栄人(レックス)
70・佐藤達朗(スカイライン)
70・松山恭久(ブルーバード)
72・河合信雄(ブルーバード1600SSSクーペ)
73・渡辺 宏(ブルーバード1600SSS)
74・村上健一(レビン)
75・野々下純生(ブルーバード)
【リタイア】
中村真久(ブルーバード)
横山文一(レオーネST)
鈴木邦男(スカイライン2000GTX)
平田篤介(カリーナGT)
高岡祥郎(レオーネST)
松田郁子、永瀬巧子、森実えり子(ベレットGTR)
石橋雄一(ベレットGTR)
川巳竜夫(ホンダ1300クーペ)
名波芳光(サニー1200)
戸村哲也(レビン)
石井孝夫(スバル1300G)
三輪和美(ブルーバード1600SSS)
手網 彰(フェアレディZ)
小池幹雄(コルトGS)
稲葉一義(ブルーバード)
木田 伸(チェリー)
宇津野和浩(ギャランAUGS)
松原功卓(コンソルテ)
石川英正(チェリークーペ)
高村鉄十(サニー1200GX)
鵜島国治(ホンダN600E)
秋篠掟雄(ギャランGS)
星谷耕司(ブルーバード)
谷口 勝(セリカ1600GT)
有馬清徳(ベレットスポーツ)
柚木俊彦(カリーナ)
木方 舜(スカイライン)
伊藤哲郎(ギャランAT)
大崎 麓(ギャラン16LGS)
野沢一彦(ホンダ1300クーペ)
加藤芳章(ホンダN360TS)
西山 寛(ブルーバード1600)
永井久喜(ホンダ1300クーペ)
鈴木伊能勢(ギャラン)
中村邦男(パブリカSR)
木田新一(チェリーX1)
山口 徹(サニークーペ)


●篠塚建次郎駆るギャランは総合2位に入賞                    ●PMCS信光チームのスカイライン

●8位に入賞した田中チームのギャラン                       ●垣内チームのホンダ1300

●6位に入賞した柑本チームのブルーバード510                 ●中原チームのレックス

●鈴木チームのパブリカSR                              ●総合2位を獲得した木村チームのTE27レビン

●三輪チームのブルーバード510 1600SSS                    ●川巳チームのホンダ1300クーペ

●中島チームのベレット

●松原チームのダイハツ・コンソルテ1000                     ●DCCS寺尾チームのフェローMAX

【再録、アルペンこぽれ話】

駐車場が野外大サービス工場に
 赤倉の大車場は、巨大な野外整備工場になった。日産スポーツが、プリンスサービスが、ISCCが、TMSCが、DCCSが、
三菱が、それぞれバスやパネルトラックを持ち込んでいた。その中は正に部品倉庫。ボルトからフェンダーまで積み
込んでいる。ゴールして来るラリー車は早速ここに運び込まれ、大型ジャッキで持ち上げられる。
強く打って外れない部分は、酸素溶接横で切断する。
とにかく、ことしのサービスは前代未聞のスケールだった。(日刊自動車新聞1972年9月28日)

この先、CPあるよ!
 湯の丸有料林道のゲートのオヤジ、ラリー車を1台1台つかまえては 「この先4・3`にチェック・ポイントがありますよ」
 これにはまいった。みんなドッチラケだ。それでも聞いてしまえば無視することもできず、16チェック手前300mで時間調整。
まいった、まいった。(日刊自動車新聞1972年9月28日)

出典: 日本アルペンラリーの足跡/澁谷道尚/湧水社出版(1996/05) ISBN: 4-946520-01-5


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