マーチ(K10)は1982年10月に80年代にふさわしい超小型大衆車として経済性と実用性をそなえた
合理的な車として開発・発売された。
当時の日産のパルサー,サニー,リベルタなどと比較してコンパクトな点が強調されている。
半球型の燃焼室を持つOHV式のオール・アルミエンジンと高張力鋼板によるボディの軽量化により、
経済性と機能性を備えた車として販売された。車重は610〜675キロと軽量で、デザインも空力学
的に考慮したものでフラッシュ・サーフェイス(平らな表面)でCD値は0.39であった。
多少エッジのあるボディはジウジアーロがデザインに加わったといううわさもあった。
当初は3ドアのハッチバックのみで、エンジンも排気量987ccのMA10型エンジンのキャブレーター仕様で、ミッションは4速、5速、
オートマチック(3速)の3種類があった。
その後1983年9月に5ドアハッチバックが追加され、1985年2月には燃料噴射エンジンにターボ
チャージャーをつけたMA10T型エンジン搭載のモデルが発売された。このエンジンは標準が52ps/6000rpmに対して
76ps/6000rpmの出力を誇った。
1988年8月にモータースポーツ用にターボとスーパーチャージャーを取り付けたMA09ERTエンジンを搭載したマーチRが市販された。
マーチRには低速から高速までキビキビと走ることをねらいとして、スーパーチャージャーと
ターボチャージャーの複合過給機システムが装備された。インタークーラーも標準で装備した結果
エンジンの出力は110ps/6400rpmへと大幅にパワーアップし、トルクも10.8kgm/
4400rpmから13.3kgm/4800rpmにアップしている。マーチRはクロースレシオの
ミッションやビスカス式のLSDを装着し、軽量化された内装(実際にはスタンダード仕様)と
相まって高性能を示した。
オプションでオイルクーラーも準備されていた。しかしながらオイルクーラーはエアコンと同時に
装着することは不可能で、オイルクーラーまたはエアコンのトレードオフだった。
1989年1月にマーチRをベースにエアロパーツを装着し、内装などもデラックス仕様になったモデル
としてマーチ・スーパーターボが市販された。スーパーターボにはオイルクーラーのオプションは
設定されていなかった。
ボディの色は全モデルで10色あった。
マーチRはクリスタル・ホワイトのみで、オプションでトリコロールカラー塗装が可能であった。
スーパーターボの塗色はクリスタル・ホワイトの他にアクティブ・グリーン,トワイライト・ブルー,ブラック・メタリックの4色であった。一番ポピュラーなのはブラック・メタリックで、ついで、クリスタル・ホワイトである。アクティブ・グリーン,トワイライト・ブルーは珍しい。
内装は特製バケットシートや革巻きのステアリング・ホイールが装着された。
主要諸元は次の画像の通りである。
●コメントなどはこちらへメールでお寄せ下さい。
スパムメール防止のために全角文字でメールアドレスを記載してありますので、半角で入力しなおしてくださるようお願いします。