マーチ・スーパーターボ／マーチＲのサスペンション
実際に所有しているものは画像の通りであるが、識別色の資料も無いために、保管しているうちにどれがどれなのか良く判らなくなっており、これまで掲載してきたスプリングの情報も誤りがあったので訂正したい。リヤの識別色緑／緑のスプリングのみは部品番号55020-17B00のラベルがついており、識別が可能である。
　 　

フロント	マーチＲ	スーパーターボ	NISMO 1	NISMO 2
識別色	黄／黄	緑／白	桃／白	桃／桃
実測自由長mm	325	325	280	260
実測線径mm	7.5 - 10.2	10	10.3	7.6 - 10.0
全巻数	8.8	7.7	6.7	8.3
相対硬さ	硬	硬	柔	柔

画像は上記の表と順序が違うので要注意である。
一番左がスーパーターボ用，次がマーチＲ用で、右２種類がＮＩＳＭＯである。

　 　

リヤ	マーチＲ	スーパーターボ	NISMO 3	NISMO 4
識別色	黄／黄	緑／緑	無	無
実測自由長mm	342	310	296	265
実測線径mm	7.7 - 9.3	9.0	10.0	7.8 - 9.4
全巻数	10.3	7.5	10	10.5
相対硬さ	柔	やや硬	硬	柔

スプリングの全長の値がパーツリストの規格値と大きく違っているものがあるが理由は不明である。
画像は左から全長の大きい順序に並べている。
一番左がマーチＲ用、次がスーパーターボ用、右の二つがＮＩＳＭＯの製品のようだが、どのような仕様なのか不明である。

サスペンションに関する資料上のデータ

フロント	マーチMA10		Turbo前期		Turbo後期		マーチＲ	スーパーターボ	NISMOダートラ用	トヨシマ
	MT	AT	MT	AT	MT	AT	MT	MT	MT	--
ストロークmm	159		148						170	--
減衰力（伸び／縮み）kg	55/30		90/45				200/108	90/45	165/127	--
バネ定数kg/mm	1.5		2.2				2.8	2.0	2.22	2.5
自由長mm	R 337.5 L 330.0	R 355.5 L 344.5	290	299		308	286	330	305.5	不明
コイル中心径mm	90		90.1	90.3	90				不明	不明
線径mm	R 9.2 L 9.1	R 9.5 L 9.3	9.6	9.8		10.0	10.2	10.0	不明	不明
有効巻数	R 6.9 L 6.27	R 7.53 L 6.97	5.36	5.77	5.77	6.21	4.78	6.83	不明	不明

リヤ	マーチMA10	Turbo	マーチＲ	スーパーターボ	NISMOダートラ用	トヨシマ
ストロークmm	104.1	182.1			不明	--
減衰力（伸び／縮み）kg	40/20	60/20	93/70	60/20	76/59	--
バネ定数kg/mm	1.5	1.6	1.0 - 1.8	1.6	1.35	2.2
自由長mm	320.5	313	310	313	326	不明
コイル中心径mm	85				不明	不明
線径mm	8.9		7.4	8.9	不明	不明
有効巻数	6.8	6.39	8.61	6.39	不明	不明

上記の表でスプリングの有効巻数は実際にスプリングとして作用する巻数を意味していると思われるので、実際の巻数より少ない値になっている。

オプションのアブソーバーやスプリングとしてはNISMOから低圧ガス入りの固定式と4段可変式が販売されていたが、もはや発売中止した模様。
ＮＩＳＭＯのラリー用は硬くてロールしないのは良いが、硬すぎてボディにストレスを与え、早くガタになるような気がする。
社外品としてはカヤバＫＹＢダートラ・スペシャルは今でも入手可能だろうが、普通の道路で使用するにはやや硬いというコメントがある。
他に簡単に入手できるのはカヤバのNew SRスペシャルとモンローである。いずれも安価で好ましい。
標準のアブソーバーが性能と乗り心地の点で好ましいと思うがだんだん入手が困難になってきている。
NISMOのﾊﾟｰﾂも年代が変わるにつれて品番も変わっており、特性も違っているかも知れない。価格も上昇している。 最近でもマーチ用のパーツが入手できるのかは不明である。
モンローは昔から耐久性が良好で安価なことから有名である。モンローのカタログを見ると「K10(除くﾀｰﾎﾞ車)」と記載されており、EK10は対象ではないように思われるが実際には何も問題無く装着できた。
純正ストラットの下取りが必要になるがエナペタルはビルシュタインのダンパーを使用して特注してくれる。二回目からはオーバーホールもしてくれるので長期使用するなら価値があるだろう。他にPCR（パーツクリエーター）という会社は、どのような車のアブソーバーも注文で製作するとのことであるが価格は表示していないようである。
　　　 　

アブソーバー	フロントパーツ番号	価格	リヤパーツ番号	価格	備考
スーパーターボ純正	54302-28B26 (刻印 54302-28B01) 54303-17B25 (刻印 54303-17B01)	13000 11800	--	--	アツギ製
スーパーターボ純正	54302-28B27 (刻印 54302-28B06) 54303-17B26 (刻印 54303-17B06)	13000 11800	56203-28B25 (刻印 56203-28B10) 56203-17B26 (刻印 56203-17B05)	7060	カヤバ製
スーパーターボ純正	--	--	56203-17B25 (刻印 56203-17B00)	7060	トキコ製
マーチR純正	54302/3-28B25 (刻印 54302/3-28B10)	13000	56203-28B25 (刻印 56203-28B10)	7060	カヤバ製
NISMO　ラリー用	54302/3-RR250	15000	56210-RR250	7300	K10ET用88年9月
NISMO　ラリー用	54302/3-RR251	23800	56210-RR251	12300	スーパーターボ用88年9月
NISMO　ダートラ用	54302/3-A1235	17000	56210-A1235	6900	88年9月ガス封入式
NISMO　レース用４段可変式	54302/3-RR255	35000	56210-RR255	15000	88年9月ガス封入式
NISMO　ラリー用固定式	54302/3-NR250	18000	56210-NR250	9500	92年8月ガス封入式
NISMO　ラリー用４段可変式	54302/3-RN251	28000	56210-RN251	16200	92年8月ガス封入式
NISMO	54302/3-RS259	不明	56210-RS259	不明	ガス封入式
カヤバＫＹＢダートラ・スペシャル	ST0190R RK02 ST0190L RK02	不明	SDD0190 RL13K	不明	入手可能？
カヤバNew SR スペシャル	NST5012R/L	19300	NSF9006	9400	かなり柔らかい
トキコ・プロドラＧ	不明	不明	不明	不明	販売不明
GAB	不明	不明	不明	不明	販売不明
エナペタル	純正ストラット下取り必要	38000	--	28000	Bilstein使用注文生産
エナペタル　モータースポーツ用	純正ストラット下取り必要	55000	--	28000	Bilstein使用注文生産
MONROE　モンロー	E4282	12000	E1093	10000	「K10(除くﾀｰﾎﾞ車)」と記載があるが、 実際にはEK10に装着可能であった
KONI	不明	不明	80-2526	不明	フランスにリヤのみ在庫あり

スプリング	フロントパーツ番号	価格	リヤパーツ番号	価格	備考
NISMOラリー用	54010-RR250	6300	55020-RR250	6300	K10ET用88年9月
NISMOラリー用	54010-RR251	6300	55020-RR251	6300	スーパーターボ用88年9月
NISMOダートラ用	54010-A1235	5000	55020-A1235	4800	88年9月
NISMOレース用	54010-RR255 54010-RR256 54010-RR257	5200 12900 12900	55020-RR255 55020-RR256 55020-RR257	5200 12900 12900	88年9月
トヨシマ	--	4500	--	4000	H150 F 2.5 R 2.2

本来はそれぞれの車種毎に異なった仕様の純正スプリングとアブソーバーが設定されていたが、最近は当初設定されたようなオリジナルのパーツが供給されなくなっている。
表示したニッサン純正パーツの価格は昨年度の価格であり、毎年値上がりしているので注意。
日産のパーツ検索システムＦＡＳＴで調べると、リアのアブソーバーはマーチＲもスーパーターボも同じカヤバ製の56203-28B25が出てくる。スーパーターボのリヤ用に同じカヤバ製で56203-28B25と56203-17B26の2種類のアブソーバーが設定されているが、56203-28B25のみがマーチＲとスーパーターボ用になっていることは、この56203-28B25の方が56203-17B26より減衰力が大きいのかも知れない。
スプリングも、もはやマーチRもスーパーターボも同じパーツしか供給されていない。フロント54010-28B10、リヤ55020-28B11（8808-8901）55020-17B00(8901-)ともにマーチRとスーパーターボ用には同一部品しか供給されない。
ターボについてはフロントスプリングが54010-17B00（-8908）または54010-17B01(8908-)であり、MT／ATの区別はなくなっている。リアは55020-17B00(8901-)でRやＳ／Ｔと同じである。
普通のマーチ（MA10）のフロントはMT／AT別々のパーツで、しかも左右が違うパーツである。（ＭＴ右54010-01B15 左 54010-01B10 ，ＡＴ右54010-05B10左 54010-04B10） リヤは55020-01B11である。
トヨシマのスプリングは容易に購入できるが、車高が下がるので要注意である。
今回フロントにNISMOのアブソーバー（54302/3-RS259）と画像にあるNISMO 1またはNISMO 2のスプリングを装着しようとしたが、ストラットのスプリングシートとシャフトの上部との距離がスプリングの全長より長く、スプリングを組み付けるときにスプリングコンプレッサーは全く不要で、スプリングを切った車高短車のようにスプリングが遊ぶので、仕方なくマーチＲのスプリングと組み合わせた。
この画像に写っているＮＩＳＭＯのスプリングの品番と仕様が不明なので困っている。