チェリーは日産の最初のFF車として1970年に誕生した。
性能的には当時の欧州の前輪駆動車と比較して決して見劣りしなかった。(注:馬力表示は欧州車はDIN国産車はPSである)
スポーティなモデルとして2ドアと4ドアにX−1仕様があり、SU型のツイン・キャブレーターが搭載され80馬力を発揮した。4ドアのX−1は57万円であった。
チェリーは欧州に多く輸出され非常に評判が良い車であった。輸出台数は不明だが、国内では1970年から1974年までの間に25万台余りが販売されたようである。
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日産がオースチンのノックダウン生産をしていた経緯と関係があるのかどうか判らないが、ミニ(モーリス/オースチン)と同じ形式、つまりミッションの上にエンジンを載せるという二階建ての構造を採用した。
この方式のメリットとして、左右のドライブシャフトが等長であることと、エンジン・ルームの幅が狭くてよいこと、が挙げられる。その反面、ミッションの上にエンジンを載せるためにボンネットの高さが高くなることが避けられない。そのような制約の中で、車室を大きくとりながら全長をコンパクトに収めたチェリーが広い居住空間と経済性を備えた大衆車として発売された。全長366センチ,全幅149センチ,高さ138センチ(セダン)で、ホイール・ベースが233.5センチであった。
エンジンはサニーで実績のあるA10型とA12型が搭載され、2ドアと4ドアセダンが市販された。
ミッションは3速のコラム・シフトと4速のフロア・シフトがあった。一番安価なモデルは49万円であった。

車名 排気量 馬力 最高速度 全長 全幅
全高 オースチン1300GT 1275 70 148 3703 1534 1359 モーリス1275GT 1275 60 140 3166 1410 1346 シトロエンGS1220 1222 60 151 4120 1608 1350 ルノー6TL 1108 47 135 3859 1536 1500 プジョー204 1130 60 140 3990 1560 1400 アルファスッド 1186 73 150 3890 1587 1350 フィアット128 1166 55 140 3840 1590 1420 アウディ80 1297 60 145 4175 1600 1370 ホンダシビック 1169 69 155 3545 1505 1325 スバルFF−1 1088 77 160 3930 1480 1390 チェリー1200 1171 68 150 3660 1490 1375 チェリー1200X−1 1171 80 160 3660 1490 1375
1000ccのA10型エンジンを搭載したモデルは型式E10と呼ばれ、1200ccのA12型エンジンを搭載したモデルは型式PE10と呼ばれた。
車重は625〜685キロと軽量で、キビキビと走リ、燃費も良好だった。
1971年になってクーペ・モデルが追加して市販された。大きなリアのドア・ゲートを持つユニークなデザインであったが、斜め後ろの視界は全く無く、前進時には大きな障害とはならなかったが、後退時は苦労の種だった。天井が低く、シートとステアリングとペダルの位置関係で、ベストなドライビング・ポジションを取るのは難しかった。クーペのX−1は型式KPE10と言い4ドアとほとんど変わらない値段で販売された。当時の車でカタログに記載された最高速度を実際に可能な車は少なかったが、チェリーX−1はカタログに記載された最高速度160キロを実際に出すだけの性能を持っていた。
X−1はキビキビ走ることから若者に好まれ、ボーイズ・レーサーの格好のターゲットとなった。
オーバーフェンダーと大型のディスクブレーキと13インチホイール、そしてフロントにスタビライザーを装着したモデルとしてX−1Rが63万円で市販された。X−1Rの内装はX−1より簡素化されていた。

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